要旨:

広瀬川の水質のうちppbレベルで含まれる微量元素を中心に周辺環境との関連性に注目し、住民生活の影響がほとんどない最上流域から温泉街をへて集落が点在する流域までの約16km間で4点を選び、表流t水および川岸の積雪について調査した。

 微量元素の中でFeは表流水、積雪ともに最高で、次にSr,Tiが10から40ppbで続き、Mn,Zn,Ba,Cuは1から10ppbで続いている。As,Cr,Pbの環境汚染元素はいずれも環境基準値の1/10の以下である。

 As,Li,Mn,Sr,Cuは流下と共に増加し、とくにAs,Liは温泉街からの影響が示唆される。12月と1月間には元素濃度の変動があり、水温やpHとの関連性が考えられる。

 Pb,Fe,V,Co,Ga,Mn,Cr,Cu,Cs等は表流水に比して積雪中濃度が高く、下流域ほどその差が大となっている。