要 旨 : 地球規模で展開される環境問題に砂漠化の進行がある。具体的には地域の環境の劣化が進む問題と同時に黄砂のような地域や国を超えて広がる問題も抱えている。本論では、砂漠化が進み、黄砂供給源地域とされる中国内モンゴル自治区とゴビ砂漠が接続する荒漠地域、四子王旗を事例にして、砂漠化の進む原因を調査した。調査の結果、中国政府の退耕還林還草政策や禁牧政策は一定の効果をあげているものの、1998年の家族生産請負制度の導入移行、農牧民の対応行動が急速に商業的農牧業に傾斜しており、土地利用は環境に対して負荷を与えるものとなっていることがわかった。

キーワード : 砂漠化、退耕還林還草政策、禁牧政策、家族生産請負制度、中国内モンゴル自治区