要旨:

本研究は、仙台市の自然環境を改変して形成された人工環境としての都市環境とその都市環境の上に構築される人間活動による居住環境の特徴を、宅地開発の経過に注目しながら検討した。分析方法としては、近年その活用が注目されている簡易GIS(地理情報システム)を使った。  検討の結果、宅地開発による都市環境の変化においては、丘陵地の山林が急速に人工環境に転換されその維持管理が、仙台の都市環境の維持・管理に不可欠であることが明らかになった。また居住環境においては、3つの異なる住民属性の居住構成が明らかになり、都市環境の維持・管理を担う住民主体の属性の地域差が顕著であり、今後の都市環境の保全にとって重要な基礎認識となることがわかった。最後にこの分析を通じて、都市環境の評価・モニタリングのための情報蓄積において、簡易GISが有効であることを指摘した。